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【うつ病】障害年金の申請について

「うつ病」などの精神疾患のために働けなくなった場合に障害年金を受け取ることができます。
障害年金とはどのような仕組みなのかを、ご案内します。

監修:石井 智子

【保有資格】社会保険労務士 / 年金アドバイザー

【経歴】2018年8月 開業

「うつ病」「双極性障害」などの精神疾患で障害年金を受け取りたい方の手続き代行を「確実に・短い時間で・あなたの体力を減らさない」をモットーに行う。

目次

障害年金とは?

日本の公的年金は、老齢年金、遺族年金、障害年金があり、
3つの年金はいずれも基礎年金と厚生年金との2種類です。
年金額の計算式も共通しており、偶数月の15日が年金支給日です。

そのうちの障害年金は、
障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが
制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて
受け取ることができる年金です。

(日本年金機構 障害年金ガイドより)

障害年金は65歳から受け取る老齢年金を
65歳より前に受け取るようなものと
イメージしてください。

障害年金の受給要件

障害年金の受給要件を判断する際に重要なのは「初診日」です。

初診日とは?
「うつ病」などの精神疾患の場合には、
原則として心療内科や精神科を初めて受信した日が初診日となります。
すべてのケースで、心療内科や精神科受診日が障害年金の初診日になるわけではありません。
時には心療内科、精神科の前に受信した内科や眼科、産婦人科が
障害年金の初診日となることもあり、最終的には日本年金機構の判断です。

この「初診日」において3つの受給要件を判断します。
障害年金は3つの受給要件に該当しなければなりません。
3つの受給要件とは?以下の項です。

障害基礎年金の受給要件

1
障害の原因となったうつ病などの精神疾患での初診日に
・国民年金に加入の場合
・20歳前または
 日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満で
 年金制度に加入していない場合

2
初診日の前日において、保険料の納付要件を満たしていること。
20歳前の年金制度に加入していない機関に初診日がある場合は、
納付要件は不要。

3
初診日より1年6か月後の障害認定日に
障害状態が1級または2級に該当していること。

以上の3つすべてに該当していれば、障害基礎年金を受給できます。

障害厚生年金の受給要件

1
障害の原因となったうつ病などの精神疾患での初診日に
会社員や公務員などで厚生年金の被保険者であること。

2
初診日の前日において、保険料の納付要件を満たしていること。

3
初診日より1年6か月後の障害認定日に
障害状態が1級から3級のいずれかにに該当していること。

以上の3つすべてに該当していれば、障害厚生年金を受給できます。

障害年金に該当する障害状態とは?

障害年金が支給される障害の状態に応じて、
法令により、障害の程度(障害等級1~3級)が定められています。

1級
他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできないほどの障害の状態です。
身のまわりのことはかろうじてできるものの、それ以上の活動はできない方(または行うことを制限されている方)、
入院や在宅介護を必要とし、活動の範囲がベッドの周辺に限られるような方が、1級に相当します。

2級
必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害です。
例えば、家庭内で軽食をつくるなどの軽い活動はできても、それ以上重い活動はできない方(または行うことを制限されている方)、
入院や在宅で、活動の範囲が病院内・家庭内に限られるような方が2級に相当します。

3級
労働が著しい制限を受ける、または、労働に著しい制限を加えることを必要とするような状態です。
日常生活にはほとんど支障はないが、労働については制限がある方が3級に相当します。

3級は初診日に厚生年金に加入していた方だけ該当します。

障害年金に該当しない精神疾患

障害年金の受給につながる障害には
「障害認定基準」が定められています。

この障害認定基準の中に、対象とならないと明記されている病気が
「精神の障害」にだけあります。

人格障害と神経症です。

障害年金の2つの申請方法

障害年金の申請は2つの申請方法があります。

障害認定日による請求
事後重症による請求

2種類しかありません。

[障害認定日による請求」とは?

初診日から1年6か月経過した障害認定日に
障害状態にあるときは、
障害認定日の翌月分から年金を受け取ることができます。
障害認定日がたとえ10年前であっても、当時の診断書が提出できるなら
さかのぼって年金を受け取れます。

「事後重症による請求」

障害認定日に障害状態に該当しなくとも、
その後病状が悪化し、障害状態になったときには
請求日の翌月分から年金を受け取ることができます。

障害年金申請に必須の書類

障害年金申請に必須の書類のうち、
記入内容が級の決定を左右する書類は

受診状況等証明書
診断書
病歴・就労状況等申立書

3種類です。

受信状況等証明書

受信状況等証明書は通院の事実を証明するもので、
通院期間中の治療内容や病歴がカルテに基づいて記載されます。

カルテの存在があって初めて取得できる証明書です。
通院の最初の病院であることがこの証明書で確認されます。

カルテの保存義務は5年なので、
通院歴が長い場合には取得できない可能性が高くなります。

長期の通院で、初診日の証明が難しいのではないかとご心配の人は
こちらのブログをご参考に。
↓↓↓

診断書

年月日(現症日)を限定して、病状を医師が記載します。
カルテに記載されている受診した日の病状を記載しますので、
当然カルテの存在が前提です。

事後重症による請求の場合は、現在の病状を記載した診断書1通です。
認定日による請求の場合、
障害認定日が過去であるなら障害認定日の診断書と
現在の診断書の2通の診断書が必要になります。

障害認定日がカルテ保存期間(5年)より前なら、
カルテが破棄されている可能性があり、
認定日による請求は難しくなります。

病院に診断書の依頼をする時の注意点をお読みになる人のためのブログはこちら
↓↓↓

病歴・就労状況等申立書

必要書類3種のうち
受信状況等証明書、診断書についてはカルテの存在が前提で
医師の記載するものですが、
「病歴・就労状況等申立書」は、
申請者が自分で発症から現在までを簡潔にまとめます。

書類の名称通り、障害状態であることが判断できるように
診断書を補うことができるように、生活の様子を申し立てます。

病歴・就労状況等申立書についての詳しいブログはこちら
↓↓↓

障害年金申請時に傷病手当金、基本手当の申請も可能な時

障害年金を受け取れる条件が揃っているときに、
傷病手当金、基本手当も受け取れる条件になっている場合があります。

どの順番で受け取ると良いでしょうか?
まずはそれぞれの金額を確認してください。

一般的には、高いほうから
傷病手当金、基本手当、障害年金
の順番ですが、受け取ってきた給与額で変わりますので、
必ず確認してください。

障害年金と傷病手当金は、制度上同時に受け取ることができません。
基本手当は制度上の制限はありませんが、
「病気で働けないから受け取るのが、障害年金と傷病手当金」
「働けるのに仕事を見つけられないから受け取るのが基本手当」
なので、受け取る前提が真逆です。
障害年金と基本手当が重なっていたりしたら、障害年金の権利が発生しなかったり、
級落ちします。

すべてが重ならないように金額の高いものから受け取っていくべきです。

障害年金と精神障害者保健福祉手帳

同じ病気を基に受け取ることができるのですが、
障害年金と精神障害者保健福祉手帳は別の制度により運用されています。
連動しているものではありません。

障害年金は病気により働くことができないことの生活保障として
お金を受け取ることができるものです。

一方、精神障害者保健福祉手帳は
収めるべき税金等が免除されるもので、お金が増えることはありません。
また、手帳の取得により、障碍者就労支援施設等で働くことができます。

障害年金はお金を受け取れるのですから、該当するならすべての人に
うけとっていただきたいです。
精神障害者保健福祉手帳については、
すべての人に必要とは限りませんので、何となく手帳を取得することがないように
なさってください。

障害年金と精神障害者保健福祉手帳の関係をもっと読むにはこちらのブログ
↓↓↓

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