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【うつ病】障害年金ー病歴・就労状況等申立書

あなたが「うつ病」で働くことができないなら、
何かの手立てはないかと、探したことでしょう。

そして「障害年金」という制度があることを知ったのならば、
確実に受け取れるように制度を理解してください。

今回は、申請に必要な
「病歴・就労状況等申立書」をどのように書くべきかを考えていきます。

監修:石井 智子

【保有資格】社会保険労務士 / 年金アドバイザー

【経歴】2018年8月 開業

「うつ病」「双極性障害」などの精神疾患で障害年金を受け取りたい方の手続き代行を「確実に・短い時間で・あなたの体力を減らさない」をモットーに行う。

目次

重要な提出書類ー3種

記入するだけの書類を除き、障害状態の判断に影響するのは、
「受診状況等証明書」
「診断書」
「病歴・就労状況等申立書」
の3種類です。

「受診状況等証明書」」は重要な書類ではありますが、
主に初診日を確定する目的のための証明書で、
障害状態を判断するのに直接の影響はありません。

「診断書」と「病歴・就労状況等申立書」が
セットになって障害状態を判断します。

「うつ病」などの精神疾患の場合の診断書には、
以下の7つの項目で、障害状態が判断されます。

1 適切な食事
2 身辺の清潔保持
3 金銭管理と買い物
4 通院と服薬
5 他人との意思伝達及び対人関係
6 身辺の安全保持及び危機対応
7 社会性

加えて、現在の状態や病歴、先の見通し等が医師の判断で
記載されています。

診断書の記載内容だけで、障害状態であることが誰の目にも明白である場合には、
「病歴・就労状況等申立書」の内容も
整合性が取れていれば、問題はありません。

障害状態が誰の目にも明白である場合とは?

・精神の障害用診断書の裏面
「2 日常生活能力の判定」での7つの項目で、
症状が重いとされる箇所にチェックが入っている。

・診断書の表面 治療の経過などを記載する欄に
「1日のほとんどを横臥している」など具体的に書かれている。
あるいは、診断書裏面、予後を記載する欄に「回復は見込めない」
など重症をうかがわせる記載内容がある。

診断書の内容から重症が伝わるなら、「病歴・就労状況等申立書」は、
判断基準として重いものとはなりません。
もちろん、
提出書類として必要項目が記載され、
診断書との整合性が取れていることが前提です。

診断書と整合性が取れている「病歴・就労状況等申立書」とは?

「診断書」と「病歴・就労状況等申立書」の記載内容に
不一致があってはならないです。
不一致とは
通院歴は同じ年月か?
重症の時期があるなら両書類では同じ時期になっているか?
入職、離職時期は同じ記載になっているか?
などなどです。

同じ項目であるなら一致していなければなりません。
一方だけに記載されていることについては問題はありません。

「病歴・就労状況等申立書」が申請を左右してしまう場合とは?

診断書の記載内容では、2級なのか、3級なのか
年金機構が判断に迷う時に
「病歴・就労状況等申立書」の記載内容が大きく意味を持ちます。

初診日に国民年金被保険者なら、障害基礎年金なので、1,2級しかありません。
2級か3級に迷うような診断書の記載内容なら、障害年金支給か不支給なので、
あまりに大きな差となります。

初診日に厚生年金の被保険者ならば、3級までありますので、
2級か3級かを迷うような診断書なら、少なくとも障害年金の権利はあります。
ですが、年金額は2級の2/3から1/2程度になってしまいます。
障害基礎年金程ではないにせよ、差は大きいです。

2級か3級かを迷うような診断書なら、
注意を払って「病歴・就労状況等申立書」を書いてください。
診断書で判断しきれない病状や生活状況を
「病歴・就労状況等申立書」の記載内容で判断することになるのです。

いったい何を書くべきでしょうか?

診断書に記載されていないことについて書いてください。
参考記入例はありません。
必ず診断書とセットになっているのですから、
「病歴・就労状況等申立書」だけ単独での判断ではないからです。

「病歴・就労状況等申立書」の記載内容

「障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが
制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて
受け取ることができる年金です。」

これは、年金機構が配布しているパンフレットの冒頭部分です。

これから障害年金を申請しようとするあなたは
知らぬうちに
「障害年金は病気やけがによって…(脳内で略してしまう)…
受け取ることができる年金です。」
と、このように 「病気だから年金が受け取れる」
という認識にしてしまいます。

一方でジャッジする年金機構は、より公平な判断のために
「障害年金は…生活や仕事などが制限される場合に…
受け取れる年金です。」
というように「生活や仕事などの制限の度合い」
をはかろうとします。

ここに認識の差ができてしまうので、
「病歴・就労状況等申立書」の記載内容が
「つらい、苦しい」というような
内容が判別できない表現や、
症状の羅列だけになったりします。

年金機構から明確な「障害状態である」という
判断を受けるには、
どれくらい生活ができていないかを判定しやすいように
表現の工夫が必要です。

たとえば、あなたが眠れないことがつらくて
投薬を受けていたとします。
診断書には「不眠」という記載だけかもしれません。
間違ってはいませんね。記載スペースがあまりありませんから
「不眠」でひとくくりになってしまう事でしょう。

ですが、あなたにとって「不眠」はつらくて
退職を考えるほど追い込まれている症状のひとつだと
するなら、「病歴・就労状況等申立書」には
・通勤電車にて立ったまま眠ってしまう
・職場の同僚からミスの指摘とリカバリーの苦情が増えた
など、具体的な、重症をうかがわせる事例を厳選して書いてください。
スペースが限られていますから、長文にならないように。

日常生活の制限もなるべく具体的に書いてください。
食欲がないのなら、食べられるものは何ですか?
あるいは1日に何食ですか?

その時その時の症状だけでなく、
病院に通院している期間ごとにもまとめますので、
その期間、あなたの症状は
横ばいでしたか?
ゆっくり悪化しましたか?
何かをきっかけに悪化しましたか?
症状は繰り返していましたか?
読んですぐにわかるように症状の変化を書きます。

だるさがあり、横になることが多いのなら、
いつ横になることが多いですか?
1日に何回横になりますか?
1回あたり何時間位?あるいは1日に何時間位?
なるべく数字で表現してください。

あなたの生活が制限されていることを
(つまり、できないことを)わかりやすく書いてください。

診断書には書ききれていない、
年金機構が判断の材料にする
「生活や仕事が制限されている度合い」
について書いてください。

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