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うつ病なのに通院できないとき、障害年金はどうなるか?

「うつ病です。今通院していませんが、障害年金を受け取れますか?」
時々お問い合わせがあります。

これから障害年金を申請しようとお考えの人が通院していないケースと
障害年金を受給している人が通院を中断したケースで考えます。

監修:石井 智子

【保有資格】社会保険労務士 / 年金アドバイザー

【経歴】2018年8月 開業

「うつ病」「双極性障害」などの精神疾患で障害年金を受け取りたい方の手続き代行を「確実に・短い時間で・あなたの体力を減らさない」をモットーに行う。

目次

うつ病なのに通院していないとき、障害年金は受け取れるのか?

時々質問が寄せられます。

以前通院していた時に「うつ病」といわれた。
現在は通院していないが障害年金を受け取りたい。どのような申請をすればいいのか。


申請したいとお考えの今現在、通院していなければ障害年金は受け取れません。

申請に必須の書類である「診断書」が取得できないからです。診断書を書くことができるのは医師だけです。
通院していなければ診断書を書く医師がいないのですから、他の方法はありません。

したがって、障害年金の申請はできないことになります。

通院していない理由が、経済的理由である場合

診察代を払えない・・・
障害年金を受給できるなら病院に通えるのに・・・

そのような経済的な理由で通院できていないのなら、
「無料低額診療」
という制度があります。
全国で行われている制度ですが、すべての病院で実施されているわけではありません。
収入金額により、一部免除であったり、無料になったりします。
お住まいの地域の福祉事務所、あるいは社会福祉協議会でご相談なさってください。

他にも、各自治体の独自サポートを受けられる場合もあります。

通院していない理由が、自分にあう病院が見つけられない場合

通院していないなら、障害年金申請のための診断書を作成できません。

薬が体質に合わなくて、病院へ行くことをためらっているなら、
何とか薬に対応してもらえる病院をさがすしかありません。

医師との関係性が問題で病院へ行くことをためらっている場合でも同様です。
障害年金を受給するためには、気持ちの調整も必要でしょう。

最近はオンライン診療を受けられる病院も増えましたから、病院探しの範囲も
広げられるでしょう。

うつ病で障害年金受給中の場合、通院を中断したら継続して障害年金を受け取れるのか?

通院を自己判断で中断した時期と期間によって、診断書の記載ができなくなる可能性があります。
そのため、更新のための診断書提出ができずに継続受給は不可となることもあり得ます。

まず、更新時に提出する診断書の記載内容を確認します。
更新時の診断書は「障害状態確認届」という名称に変わります。
内容はまったく診断書と同じです。

日本年金機構のホームページから
障害状態確認届をご確認ください。下の案内から確認できます。

④の記載箇所です。
最近1年間の治療の経過、内容、就学・就労状況等、期間その他参考となる事項」
診断書記載時より1年前からの状況を記載すべき箇所です。

1年間の治療経過を診たうえで、診断書の記載をしなければならないのです。
本来、継続通院すべきです。しかしながら引っ越しや経済的事情などで
治療を中断せざるを得ないことがあった場合には、少なくとも診断書提出の1年前からは通院するべきです。

たとえかつて通院していた病院であっても、通院中断後、提出直前の受診では診断書は書けないのです。
診断書が提出できなければ、必然として障害年金はストップします。

うつ病での通院歴を自己中断したのち、通院を再開した場合の障害年金は申請できるのか?

通院を自己判断でやめてしまった中断期間が長くても、
通院再開した病院で診断書の記載が可能であれば、申請は可能です。

申請は可能ですが、注意点があります。

通院中断期間が数年から長期の場合

通院の中断によって、病気が一旦治癒したという扱いになる場合があります。
病状が現在まで継続せず、新たに発症したことになるのです。

何が問題になるでしょうか?
メンタルの不調で初めて受信した日は「初診日」で
障害年金の申請には重要な日付です。

障害年金の権利の有無を判断する日だからです。
初診日の前日において、前々月までの20歳以降の期間に
国民年金保険料が、2/3以上未納期間以外でなければ
障害年金は受け取れないのです。

初診日は権利を決める日でもあります。

この重要な「初診日」が通院中断によって
再受診した日に移ってしまうこともあるのです。

初診日が移ってしまうことによって、新たに国民年金保険料の納付要件
を確認する必要があるので、場合によっては、保険料納付月数が足りずに
障害年金の権利はないことも発生します。

通院中断後、再受診してすぐに診断書を作成した場合

通院中断前の病院であれば、長い期間の中断後であっても
診断書の作成に応じる場合もあります。
しかしながら、障害状態は一時的な状態で判断するものではなく
経過を観察した上での判断です。

日本年金機構のホームページからも確認できる
「障害認定基準」の中57ページに

【気分(感情)障害は、本来、症状の著名な時期と症状の消失する時期を繰り返すものである。
したがって、現症のみによって認定することは不十分であり、症状の経過 及び それによる
日常生活活動等の状態を十分考慮する】

以上のように記載があり、経過の確認が必要なことがわかります。
気分(感情)障害とは、うつ病や双極性障害等を指します。

中断期間後ほどなく作成された診断書の内容では、
日本年金機構の認定医は
「障害状態が継続していない、一時的なもの」という
判断になってしまう可能性があります。

まとめ

うつ病等の精神疾患で障害年金の申請をお考えなら、
現在通院していないなら、障害年金の申請はできません。

障害年金の診断書作成が可能になる時期まで
通院再開し、さらに通院を継続なさってください。

また、通院中断期間が長期にわたっているなら
「初診日」が変わってしまう可能性もあるため
年金事務所や役所に行かれる前に、一度専門の社会保険労務士に
ご相談なさることをおすすめします。

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