【社労士解説】認定日請求と事後重症請求の違い|どちらが有利か専門家が解説

「認定日請求と事後重症請求、どっちで申請すればいいのかわからない…」
「あとから悪化した場合でも、さかのぼってもらえるの?」
障害年金の相談の中でも、請求方法の選択は非常に多い質問のひとつです。
実はこの2つ、選び方を間違えると、受け取れる年金額が大きく変わることがあります。
本記事では、社会保険労務士が
- 認定日請求と事後重症請求の違い
- それぞれのメリット・デメリット
- どちらが有利かの判断基準
を、専門知識がなくても理解できるように解説します。

監修:石井 智子
【保有資格】社会保険労務士 / 年金アドバイザー
【経歴】2018年8月 開業
「うつ病」「双極性障害」などの精神疾患で障害年金を受け取りたい方の手続き代行を「確実に・短い時間で・あなたの体力を減らさない」をモットーに行う。
目次
- ○ 障害年金の請求方法
- ○ 認定日請求の仕組みと特徴
- ○ 事後重症請求の仕組みと特徴
- ○ 認定日請求と事後重症請求の違いを比較
- ○ 認定日請求と事後重症請求で、どれくらい金額差が出るのか?
- ・ケース①:認定日請求が認められた場合
- ・ケース②:事後重症請求の場合
- ・金額差のイメージまとめ
- ・注意:金額だけで請求方法を選ぶのは危険
- ・社労士が重視する判断ポイント
- ○ どちらが有利?判断のポイント
- ○ よくある誤解と注意点
- ○ まとめ|迷ったら専門家に相談を
障害年金の請求方法

障害年金には、次の2つの請求方法があります。
・認定日請求
・事後重症請求
どちらも障害年金を受け取るための手続きですが、
「いつの状態で障害を判断するか」 が大きく異なります。
それぞれを詳しく解説していきます。
💡遡及請求は?
障害年金申請に詳しい方は、「遡及(そきゅう)請求」を聞いたことがあるかもしれません。
結論、遡及請求は第三の請求方法ではありません。「認定日請求」の一つです。
良ければ下記で詳しく解説しているので興味がある方はご一読ください。
認定日請求の仕組みと特徴

✅認定日請求とは?
障害認定日(原則:初診日から1年6か月経過した日)時点の障害状態で、
障害年金に該当していた場合に行う請求です。
✅認定日請求の特徴
・障害認定日までさかのぼって年金を受給できる
・5年以内であれば、過去分を一括で受け取れる
・医師の診断書が「認定日時点」で必要
💡ポイント
過去分を遡って請求できるので、最も受給額が大きくなりやすい請求方法です。
事後重症請求の仕組みと特徴

✅事後重症請求とは?
障害認定日時点では等級に該当しなかったものの、
その後に症状が悪化した場合に行う請求です。
✅事後重症請求の特徴
・年金の支給開始は請求が受理された月の翌月分から
・さかのぼり受給はできない
・現在の状態の診断書があれば申請可能
💡ポイント
「昔は軽かったが、今は働けない」という方が多く利用します。
申請をした以降の将来の年金を受取りますので、過去分を遡って請求ができません。
認定日請求と事後重症請求の違いを比較

それぞれの請求方法の違いをまとめてみましょう。
✅主な違いまとめ
・判断基準の時期が異なります。
→認定日請求:障害認定日
→事後重症請求:現在の状態
✅さかのぼり受給
過去の分を遡れるかは...
→認定日請求:可能(最大5年分)
→事後重症請求:不可
✅難易度
申請難易度の違いは
→認定日請求:やや高い(過去の診断書が必要)
→事後重症請求:比較的低い
認定日請求と事後重症請求で、どれくらい金額差が出るのか?

「結局、どれくらい年金額が変わるの?」
恐らく皆様が知りたいポイントの一つだと思います。
結論から言うと、
認定日請求が通るかどうかで、数十万円〜数百万円の差が出ることもあります。
具体例で違いを見てみましょう。
もちろん、障害の等級などによって金額に違いは出ますのであくまで参考値となります。
ケース①:認定日請求が認められた場合
【前提条件】
・障害厚生年金2級
・障害認定日から現在まで:3年経過
・年金額:年額 約120万円
この場合、
・年金の支給開始:障害認定日
・過去3年分を一括受給
👉
120万円 × 3年 = 約360万円
を、初回にまとめて受け取れる可能性があります。
その後も、毎年120万円前後の年金が継続支給されます。
ケース②:事後重症請求の場合
同じ条件・同じ等級でも、事後重症請求の場合は異なります。
・年金の支給開始:請求が受理された月の翌月分から
・過去分の支給:なし
👉
初回の振込は数か月分のみ(数十万円程度)となります。
金額差のイメージまとめ
・認定日請求が通った場合 → 過去分+将来の年金
・事後重症請求のみの場合 → 将来分のみ
💡このため、
金額の違いは過去分を遡って受給できるかどうかで大きく差が出ます。
注意:金額だけで請求方法を選ぶのは危険
ただし、重要な注意点があります。
・認定日時点の診断書内容が弱い
・当時の通院状況・生活状況が証明できない
このような状態で無理に「認定日請求」を行うと、
・認定日請求 → 不支給
・事後重症請求も併せて失敗
という 最悪の結果 になることもあります。
社労士が重視する判断ポイント
我々専門家は、次の点を必ず確認します。
・認定日時点の診断書の内容
・日常生活能力の記載レベル
・就労状況・就労制限の有無
・現在の状態との一貫性
そのうえで、
「金額」+「通る可能性」を両立できる請求方法を選択します。
もちろん判断ポイントはこれだけではなく、
人それぞれの状況に合わせて追加で判断ポイントも発生するので、
より申請通過を確かなものにしたい方はお問い合わせください。(ページ下段にお問い合わせフォームがあります。)
どちらが有利?判断のポイント

申請者の状況によってどちらが有利か変わってきますが、
次の視点で判断することが重要です。
✅ 認定日請求が向いている人
・認定日時点ですでに重い症状があった
・当時の診断書が取得できる
・できるだけ多く年金を受け取りたい
✅ 事後重症請求が向いている人
・認定日時点では等級に該当しなかった
・最近になって症状が悪化した
・過去の診断書が取得できない
💡重要
ここで一番重要なのは、
「できるだけ多くお金を貰いたいから」と無理に認定日請求を選ぶと、
不支給になるリスクもあるということは覚えておきたいところです。
よくある誤解と注意点

❌ 認定日請求の方が必ず得
⭕ 状況次第では事後重症の方が安全
❌ 両方同時に請求できる、あとから変更できる
⭕ 原則できない
❌ 「遡及請求」と「認定日請求」は別物
⭕ 遡及請求 = 認定日請求が通った結果として発生する支給形態
💡ポイント
「遡及請求だけする」「事後重症請求+遡及請求」
といった請求方法は 存在しませんのでご注意ください。
まとめ|迷ったら専門家に相談を

認定日請求と事後重症請求は、
「どちらが正解」ではなく「どちらが適切か」が重要です。
自己判断で進めると、
・不支給
・本来もらえたはずの年金を逃す
といったリスクもあります。
中盤で記載しましたが、
「我々社労士ならここを重要視してこういう申請を行う」
といった長年の経験がものを言うのが障害年金申請でもあります。
石井智子社会保険労務士事務所は、
障害年金の申請を代理で行っているプロです。
特に精神障害の方の申請に強いです。
申請が複雑だから、一人だと不安だから代わりに行ってほしい方がいましたら、
どうぞご遠慮なく!お問い合わせください。
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