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一人暮らしでも障害年金はもらえる?審査に落ちる・通るケースを解説!

一人暮らしをしている、もしくは検討しており、障害年金の審査に通るか気になっている方は多いと思います。

一般的な傷病の場合、一人暮らしが障害年金の審査に影響を与えることはありません。しかし、精神障害の場合は話が変わってくるので注意が必要です。

本記事では、一人暮らしと障害年金の関係性について解説しています。ぜひ参考にしてください。

監修:石井 智子

【保有資格】社会保険労務士 / 年金アドバイザー

【経歴】2018年8月 開業

「うつ病」「双極性障害」などの精神疾患で障害年金を受け取りたい方の手続き代行を「確実に・短い時間で・あなたの体力を減らさない」をモットーに行う。

目次

一人暮らしでも障害年金はもらえる?

前提として、一人暮らしでも障害年金は受給できます。そもそも精神障害以外の傷病では、一人暮らしの有無が障害年金の審査に悪影響を及ぼす心配はありません。

しかし、精神障害の場合、一人暮らしでも障害年金がもらえるケース、もらえないケースの両方が存在するので要注意です。

障害年金の審査では、傷病の種類に関わらず、「生活や就労に支障がある」という事実が審査に大きく影響します。ただ、精神障害・知的障害・発達障害の場合、「一人暮らしの有無」が等級判定のガイドラインに明記されており、別角度の審査項目が設けられているのです。具体的には以下のとおり。

ーーーーーー
【ガイドライン(※)】
③生活環境

考慮すべき要素
・家族等の日常生活上の援助や福祉サービスの有無を考慮する。

・独居であっても、日常的に家族等の 援助や福祉サービスを受けることによって生活できている場合(現に家族等 の援助や福祉サービスを受けていなく ても、その必要がある状態の場合も含 む)は、それらの支援の状況(または 必要性)を踏まえて、2級の可能性を 検討する。

・入所施設やグループホーム、日常生 活上の援助を行える家族との同居な ど、支援が常態化した環境下では日常 生活が安定している場合でも、単身で 生活するとしたときに必要となる支援 の状況を考慮する。

・独居の場合、その理由や独居になった時期を考慮する。
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一人暮らしが可能であれば、自立した生活を送れていると評価される可能性があります。この場合、精神障害の方は障害年金の審査に落ちてしまうかもしれません。

しかし、なかには家族等のサポートがあったり、DV被害を受けていたり、一人暮らしに正当な理由が存在するケースもあります。この場合、精神障害の方でも障害年金の審査に通る可能性があります。

一人暮らしの障害年金受給はばれる?

一般的に、障害年金の受給が自分以外の人にばれることはありません。たとえ家族だとしても、本人の委任状がなければ年金の受給状況を調べられないからです。

しかし、年金証書や通知書など、自宅への郵送物を家族が開封してしまうこともあるでしょう。郵送先の指定や取り扱いなどには気を配る必要があります。

また、従業員が障害年金を受給しているかどうかを会社が調べることはできません。勤務先に障害年金の受給がばれる心配はないので安心してください。

一人暮らしの生活費を障害年金でカバーできる?

一人暮らしの生活費を障害年金でカバーできるかは、障害厚生年金の有無に左右されます。

そもそも、障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。両者の概要は以下のとおりです。

• 障害基礎年金:国民年金に加入している方が対象
• 障害厚生年金:厚生年金に加入している方が対象

障害基礎年金(令和5年4月分から)の場合、1級の方は「993,750円 」、2級の方は「795,000円 」が支給されます。これらは年額なので、月額に換算すると「82,812円」と「66,250円」です。

1級は「他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできないほどの障害の状態(※)」なので、一人暮らしの方が申請する場合、2級を視野に入れているケースが多いと思います。ただ、障害基礎年金の2級は月額66,250円なので、一人暮らしの生活費をすべてカバーすることは難しいでしょう。

障害基礎年金の場合、障害基礎年金に上乗せして年金が支給されます。また、等級も3段階に分けられているのも特徴です。

支給金額に関しては、厚生年金に加入している間の標準報酬額と加入期間で算出されるので、個人差があります。

障害厚生年金の支給額について詳細を知りたい方は、石井社会保険労務士事務所までお声がけください。


一人暮らしで障害年金の審査に落ちるケース

一人暮らしで障害年金の審査に落ちるケースでは、以下の理由が考えられます。

• 福祉サービスや援助が全く必要ないと判断される
• 申請書類に不備がある など

前提として、福祉サービスや援助が全く必要ないと判断された人は、障害年金の審査に通りません。

それ以外に考えられる理由としては、申請書類に不備があるケースです。

障害年金では書類審査が行われるため、提出する書類をしっかり用意する必要があります。なかでも診断書は審査結果に大きく影響するといわれており、障害年金に理解のある医師に作成してもらうことがとても重要です。

実際、患者さんの置かれている状況を把握し、詳しい内容の診断書を作成してくれる医師もいれば、2~3行程度しか書いてくれない医師もいます。

障害の状態をはじめ、一人では日常生活を満足に送れない実情を医師に相談し、適切な診断書を作成してもらうことがポイントです。

一人暮らしで障害年金の審査に通るケース

ガイドラインの内容を考慮すれば、精神障害の一人暮らしであっても障害年金の審査に通る可能性として、以下のケースが考えられます。

• 家族や福祉サービスの援助を受けている
• 病気に対する家族の理解がない
• DV(家庭内暴力)

それぞれ詳細をチェックしていきましょう。

家族や福祉サービスの援助を受けている

一人暮らしをしているものの、家族のサポートや福祉サービスを利用しており、援助がなければ生活が難しいケースです。

このような事実を医師に向けて明らかにし、その旨を反映した診断書を作成してもらいましょう。福祉サービスに関しては、病院の相談員の力を借りるのも選択肢の1つです。

また、現在誰からのサポートも受けていなくても、掃除や洗濯などの家事を自主的に行えない状況であれば、障害年金の審査に通る可能性があります。

病気に対する家族の理解がない

精神障害に対して家族の理解がないケースです。

実際、うつ病や双極性障害(躁鬱)、統合失調症などの精神障害は、近しい存在の家族からも理解が得られないことがあります。そのような状態で同居を続けていると、症状が悪化してしまうでしょう。

そのような方は一人暮らしでも障害年金を受給できる可能性があります。

DV(家庭内暴力)

DV(家庭内暴力)被害を受けているケースです。

家族との同居が難しく、一人暮らしに正当な理由があると判断され、障害者年金を受給できる可能性があります。

一人暮らしの障害年金のまとめ

本記事では、一人暮らしと障害年金の関係性について解説しました。押さえておきたいポイントは以下のとおりです。

• 基本的に一人暮らしが審査に悪影響を及ぼすことはない
• 精神障害の場合は審査に影響する
• 援助や福祉サービスの必要性がポイント
• 障害基礎年金だけで一人暮らしは難しい
• 精神障害の一人暮らしでも障害年金の審査に通過できる

ガイドラインで一人暮らしへの言及がある精神障害でも、障害年金の審査に通過できる可能性はあります。

ただ、障害基礎年金しか受給できなかった場合、一人暮らしの生活費をすべてカバーすることは難しいです。障害厚生年金を受給できるかがポイントになります。

障害厚生年金の支給額は個人差があるので、詳細は専門家に聞いたほうが早いでしょう。具体的な金額の目安を知りたい方は、石井社会保険労務士事務所までご相談ください。

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